世界的イベントも国内の話題として扱う日本では宇宙の話もない

投稿日時 : 2021/07/21 17:30

「宇宙旅行は、大気汚染を引き起こすのか?」
20 Minutes紙のウェブサイトより。

もちろん、日本でも民間の宇宙飛行は報じられているが、どちらかというと、日本には関係のない海外の話題であったり、ビジネスの話題として取り上げられている。日本でまったくみられないような視点だが、フランスでは主要な見方であるのが、宇宙飛行・宇宙旅行における環境問題だ。

そもそも、お金持ち(フランス人であっても)やグローバル企業にたいして厳しく批判的なフランス(のメディア)ということもあるだろうが、様々なフランス人専門家の意見も紹介しながら、昨今の一連の民間の宇宙飛行には懐疑的な見解を紹介している。

現在はまだ数件の宇宙飛行で、ヴァージン・アトランティックも年間に400の民間飛行を目指すとしていても、まだそこまでの影響はないとされるが、いずれ、この宇宙観光が大きくなれば環境問題は重要になるという。もちろん、従来のものよりも「環境に優しい」と指摘する科学者もいるし、「大気圏でタイヤをまるまる燃やした」ようだと表現する専門家もいる。ただ、現状では、世界中で飛んでいる飛行機によるCO2排出のほうが大きな問題ではあるという。

さらに、社会学の専門家によると、かつての飛行機の始まりとは違って、現在、大金持ちが始めている民間宇宙飛行には何の大義もなく、環境問題とCovid-19による衛生危機と経済危機の時代に受け入れられにくいとも指摘している。

ところで、フランスでは、2024年から、クリーンなヘリウムガスをつかった気球での宇宙飛行を始める計画が進行中という。