デルタ株を防ぐのはワクチン未接種者との接触をさけること

投稿日時 : 2021/07/07 17:30

「政府はワクチン接種を加速するための良い配合を探している」
7月7日付けLe Monde紙の紙面より。

日常が再開し、カンヌ映画祭も再開、バカンスシーズンも本格的に始まったフランスだが、数日まえから新規感染者数は微増を続け、パリはついに再び、発生率(Taux d’incidence)という10万人あたりの直近一週間の新規感染者数が50を超え、レッドエリアになった。

ワクチン接種のスピードも遅くなってきているなか、デルタ株はすでに感染者の1/3にまで増えており、今月末には半数が感染力が強いこのデルタ株になるという予測もある。

そこで、政府はワクチン接種をより進めようと、いろいろな策を考えているという。

現在、フランスではワクチン接種は義務ではなく、老人ホーム従事者でも57%、医療従事者でも64%しか二度のワクチン接種を終えていない。そして「パス・サニテール」こと、衛生パスの運用も始まっているが、衛生パスが必要なのは、大規模イベントや旅行、ディスコへの入場(だけ)となっている。

政府がまず考えているのが、医療従事者のワクチン接種の義務化で、これは7月末には法改正が行われ、9月から実施されるというスピード感だ。とりあえず、全国民へのワクチン接種義務は考えていないと言うが、将来的に完全にないというわけでもないとされる。
別の方法が、現在、無料で受けられる感染症検査は、個人的な理由(旅行にいくなどで、証明が必要)の場合は、有料とする案だ。無料のワクチン接種があれば陰性証明になるので、ワクチンを打ってもらうという案だ。

また別の案が、パス・サニテールの適用範囲をさらに拡げ、ワクチン接種証明となるこのパスがないと利用できない施設やサービスを増やすことで、ワクチン接種をうながすという。例えば、映画館や劇場、美術館、さらにはレストランなど。

日本ではいまだに移動制限がないままで都道県別の新規陽性者数だけが大きく取り上げられているが、フランスでは、ここ数日、次の感染の波を押さえるのは、ワクチンを打っていない人との接触を避けることという専門家の意見も紹介されている。そしてLe Monde紙で、このワクチン接種の話題のジャンルは、国内ニュースでも健康でもなく、「Planete:地球」というジャンルだ。