カラックスの新作で再開するカンヌ映画祭

投稿日時 : 2021/07/06 17:30

7月6日付けのLe Monde紙より

フランスでは本日、カンヌ映画祭が通常よりも2か月遅れで開催される。12日間で120近くの映画が上映され、もちろんパンデミックの中、感染症対策も厳重にとられての開催だ。

本日はまた、バカロレアの結果発表があり、子どもたちは本年度の最終日(フランスには終業式はないので、ただ最後の日、つまり明日からは夏のバカンス)だ。

今年のカンヌ映画祭はフランス色が強いとされ、最初の大きな話題はもちろん、オープニング上映となるレオス・カラックス監督の『Annette』だ。日刊紙にも大きなインタビューが掲載されるなど、60歳にして、(まだ)6作目のフランス人監督は話題となっている。

ル・モンド紙に語ったところによると、アレックス三部作といわれる初期の3部作の後は、自分が父親になってからの作品で、『Holly Motors』も『Merde』も、そして今回の『Annette』も実験的な映画だといい、いずれもデジタルになってからのものだという。

インタビューの最後の質問と返答を紹介しよう:
「”Annette”は、以前の映画のように、夜の映画ですね」
「夜には、ゼロから再スタートする可能性があります。私はあまり現実を撮ることはありません。夜、スタジオでは、好きなものに光をあてるのです。映画というものは、夜からでてくるんです。闇のなかの光の穴です。闇には、創造の可能性があります。光をあてないものは、存在しないのと同じです。」