冬の休戦宣言

投稿日時 : 2019/11/01 18:30

「冬の休戦宣言が11月1日から始まる。全てを理解するための三つのポイント」
ラジオ局RTLのサイトより。

11月1日はフランスではLa Toussaintの固定休日だが、2014年からこの日は「Trêve hivernale」(冬の休戦宣言)と呼ばれる法規制が発動する日でもある。

これは、冬の間(11月1日から3月31日まで)、経済状況などが厳しい住人が家賃の不払いなどで強制退去されることがない(家主は強制退去させることが出来ない)という法律だ。さらにこの期間はライフラインであるガスや電気が不払いなどを理由に止められることはない。

これは慈善活動でしらえるピエール神父(アベ・ピエール)が、1954年に提案し、1956年から法律となった。当初は12月1日から3月15日までだったが、期間が延びて現在の形になった。

ラジオ局RTLの記事がまとめた三つのポイントとは、1)フランスでは強制退去の数は増加傾向にある。2)貸主はこの期間であっても強制退去の法的手続きをとることができるが、法的手続きを踏まなければ家主に実刑判決が下される。3)家賃が払えなくなった場合、借主は、一部でも支払ったり、市役所などに相談した方がよい。

このうち、強制退去の数について詳しくいうと、アベ・ピエール基金によると、2018年に強制退去させられたのは、年間で36000人、15993世帯だという。これは前年度に比べると+2.9%にすぎないが、10年間では41%の上昇で、さらに2001年からでは152%という。さらには、この数は実際に強制的に退去させられた数であって、強制退去させられる前に、自主的に退去(夜逃げなども含む)した数は入っていないので、実数はこの数倍と試算している。