夏、日本のオリンピックとフランスのバカンス

投稿日時 : 2021/04/20 17:30

「TousAntiCovidが健康パスの様相を取り始める」
L’Obs誌のサイトより。

日本が再度、「緊急事態宣言」という名の日本版ロックダウンに向かおうとしているが、フランスでは5月中旬から「通常の生活」への帰還に向かおうとしている。

ヨーロッパ諸国の一部では外出制限の緩和などがはじまり、隣国の様子を糧に、5月、そしてその先の夏のバカンスに向けて、元の生活に戻るようにいろいろなことが動いているようだ。

どのような業種がどのようなかたちで再開するのかはまだわからない。それでも、一つのツールとして、フランスでもこれまであまり使われていない接触確認アプリ、「TousAntiCovid」(文字通り訳すと、”みんなでCovidに立ち向かう”。最初は、StopCovidという名前だった)が新しい機能を加えて、注目されている。

これまでは、フランスでも文字通り、「接触確認」の機能だけだったが、19日からは、「手帳」機能が追加された。これは、PCR検査や、抗体検査を受けた場合、その結果と証明書がPDFで送られ、それをこのアプリで管理できるというもの。これは、データマトリックス(DataMaxtix、データコードとも呼ばれる)という安全性の高いコードで提供され、警察などは、このコードを読みとる端末で、ユーザーの検査状況がわかるというもの。

さらに、4月29日からは、ワクチン接種の証明もこのアプリで管理できるようになるという。

そして、このアプリによる証明(ワクチン接種、PCR検査)は、将来的には、現在EUで協議されている「Pass sanitaire:健康パス、衛生パス」として活用され、飛行機に乗る際などに使われるという。とりあえずは、コルシカ島や、海外県への移動の際にテスト運用されるという。EUでは六月末まで、つまり夏のバカンスまでには、ヨーロッパ内での安全な移動のツールを確保したいとしている。

日本の夏のオリンピックよりも、ヨーロッパの夏のバカンスのほうが現実的で安心かも知れない。