分析結果2022:やはり金持ちの大統領

投稿日時 : 2022/04/26 17:30

経済紙Les Echosのウェブサイトでの分析結果。世帯別月収による第二回投票の投票率。

日曜夜の開票後、フランスでは早速、誰が誰に投票したのか、メディアではこぞって分析結果と解説が見られる。

何を重要と見るかは様々で、どのポイントに重きを置くかも各政党による。

1990年代のジャック・シラクの時からすで、「社会の分断・分裂」が多く語られていたが、2022年でもやはりフランス社会の分断は止まっていないようだ。

簡単にいえば、都市部ではマクロン氏の支持率が高く、地方都市や農村部では極右勢力が強いという。それでも極右勢力はカレーやアジャクシオ、ベジエやランス、バスティアなどでは優勢を保っているという。

年齢別に見ると、極右政党の支持が高いのは、25-34歳の57%、18-24歳の47%となっている。(いずれも大統領選挙決選投票での数字)65歳以上では69%がマクロン氏に投票したという。

職業別では、やはり、管理職や知識階級などは72%がマクロン氏の支持だったものの、現場労働者(ouvriers。サラリーマン(salariés)でなく、工場などで働く人々)ではルペン氏はそれほど支持を伸ばしておらず、ルペン氏に投票したのは53%だけだったという。だが、失業者では58%がルペン氏に投票したという。

そして、年収別の調査結果はいっそうわかりやすいものになっている。収入が多いほどマクロン氏への投票率が高い。月収1000ユーロ以下だと、マクロン氏への投票は45%だが、3500ユーロ以上だと70%だ。

日本よりも細かな世論調査があり、その分析も学問として、ビジネスとして確立されているフランスでは、第一回投票も第二回投票も含めた今回の大統領選挙の結果の分析と解釈を踏まえて、6月の議会選挙への準備が進められることになる。