貧困問題からフランスは目をそむけない

投稿日時 : 2020/09/30 17:45

「慈善団体Secours populaire(民衆の助け)によると、コンフィヌモン(自宅隔離)の間に困窮状態が爆発的に増えた」
Le Monde紙のサイトより。

日本でも10月を前に、とくに飲食業での閉店や、失業者の話題をとりあげてはいるが、そもそも日本では「貧困層」という言葉も広くは使われず、生活保護も恥ずかしいことのようにする「空気」があるが、本日のフランスのメディアでよくとりあげられているのが、Covid-19の影響を受けての、フランスでの貧困問題の深刻化だ。

これは、慈善団体、Secours populaire(民衆の助け)が発表したもので、それによると、フランスでのコンフィヌモン(自宅隔離。ロックダウン)の二ヶ月の間に、この団体に食料の援助などの助けを求めたのは、130万人で、このうちの45%は、この団体が把握していない人びと、つまり初めての利用者だったという。

ちなみに、2019年、1年間の利用者は330万人だったが、2020年はこれを大きく上回ることになる。これは第二次世界大戦直後以来の状況だという。日本でも「戦後以来の」という表現を使うが、経済状況であって、国民の生活状況についてはあまり語られない。

春から夏は、食べ物の問題が中心だったが、冬に向けて、電気料金や、家賃の問題も発生してくることが当然予想されている。また、この団体によると、すでに50万人近くの子どもが、生活の困窮によって、学校にいけなく(いかなく)なっているという。

大学生なども食べ物をもらいにきたりしているという。

テレビ番組でも食料の援助を受ける大学生を取材。

日本でこのような慈善団体は、ほかの民間の非営利団体でもそうだが、全国規模で大きなものはないが、フランスのこのSecours populaireは、もちろん非営利で、慈善団体で、寄付などで運営されているが、年間の予算は3億ユーロ近く、ボランティア員は8万人、年間の個人の寄付金は3千万ユーロ近くという規模だ。活動は、食料の援助だけではなく、医療や法律問題、社会問題や国際問題などでも援助をしている。