ああ言えばこう言う

投稿日時 : 2022/12/13 17:30

「エマニュエル・マクロンは、年金改革の説明を1月10日に延期すると発表」
Le Monde紙のウェブサイトより。

昨日、エマニュエル・マクロン大統領がまたも意表を突いて発表したのが、本来ならば15日(木)に予定されていた年金改革の骨子の発表を年明けに延期することだった。

様々な労働組合や野党は、予定されていた15日の発表内容次第では、大きなストライキやデモを予定していたが、肩すかしをくらった形になった。これで今年のクリスマスは、おそらくは大きなストライキは回避されたようだという。

大統領は、より時間をかけて、様々な政党や関係機関が政府とよく話し合いができるようにという事だが、この舵取りが難しい年金制度改革という大きな課題に対して、大統領も政府もまだ誰もが納得、妥協する案が見つかっていないという見方もある。そして年末前に発表して、クリスマスシーズンに大きなストライキが起これば、国民の支持も得られにくいという計算も当然あったという見方も。

いずれにせよ、いよいよ冬本番の寒さになってきたフランス、クリスマスシーズンも本格的になり、ワールドカップも大きな盛り上がりになってきており、さらに感染症も拡大しているというタイミングで、絶妙に計算されたような発表となった。

ちなみに、先日の若者へのコンドームの無料配布だが、発表したときは18歳以上としていたが、メディアやSNSなどでなぜ18歳なのかという声に即座に反応して、未成年にも拡大するとし、「聞く耳」があることを示し、素早い決断と発表となった。

ただ、年金改革については、いずれにせよ、どこかから不満が上がることは間違いなく、聞く姿勢は見せているがどのような方針を示すのか、年明けが待たれる。