9月から新年度のフランスの学校は先生不足

投稿日時 : 2022/08/23 17:45

「新年度:先生の数は足りるのか?」
Le Parisien紙のウェブサイトより。

すでにバカンス前から心配されていて、スピード面接や教員免許が条件からなくしても教員を募集していたフランス。いよいよ9月1日からの新年度にむけて、教員不足が切実な問題になっている。

フランス国内で4000名規模で教員が不足しており、それを埋めるために条件を緩和して、非常勤職員を集め、急遽、研修しているという。もちろん、地域によってばらつきがあるが、こうして急遽ほかの職業から転職した新任の教員も、あわてての研修が続いていたり、研修を受けながらも、まだ赴任校は決定していなかったりという報道もある。

新大臣もバカンス明けの今週からようやく現場に赴き(もちろん現場もバカンスで動いていなかった)、緊急の対応策を講じるとされている。

また、教員組合などによると、9月の年度初めからすでに先生がたりない小中学校が地域によってはあるだけではなく、年度中の年内にもやめる予定の教員もいるというから、さらに状況は深刻とされている。

宿題や課外活動はもちろん、遠足や修学旅行などもないのがフランスの学校だが、それでも教員職は厳しい職場で、あまり担い手がいないのが現実だ。ただ、日本と違って、他のすべての職種と同様、フランスの教員たちは声を上げるので、学校が始まり、現場の状況次第では、この秋のフランスの大きな社会運動のきっかけとなる可能性がある。

さらに、小中学校の教員だけではなく、保育園の働き手も不足している問題もあり、大統領や政府にとっては、経済問題や環境問題だけではなく、教育現場の問題も大きくなる可能性があるようだ。