諸悪の象徴?

投稿日時 : 2022/08/24 17:30

「プライベートジェット:フランスでは誰がこの航空機を使っているか?(そして何のために)」
仏版ハフポストのウェブサイトより。

このブログでも以前に紹介したが、新年度が始まりかけているフランスで、さらに話題にされているのが、プライベートジェットの問題だ。

新年度で、毎年話題にされるのが、小学生などが文房具を準備するというもので、今年は物価の上昇や購買力の低下で、文房具をそれえるのが厳しくなっているという。日用品や食料品の価格の上昇もとまらず、さらに、多少無理をしてもバカンスに出かけたフランス人も多く、新年度の生活はさらに厳しくなっている。

そこで、やり玉かのようにあげられているのが、プライベートジェットの問題。わずか数百キロの移動、数人(時には一人)のために、莫大なCO2を排出しているというエコロジー的な問題だけではなく、当然、それがごく一部のお金持ちが使っていることも、フランス国民には許されないようだ。

新しい政府の報道官のオリヴィエ・ヴェランは、この問題についてインタビューに答えたが、歯切れは悪く、必ずしも、贅沢な使い方ではなくて、ビジネスで使われており、それに関わっている人たちの雇用問題もある、などと発言。大きく騒ぎすぎだ、というような発言をした。

これに対して、もちろん、エコロジー派などは、猛反発。さらに、実は、フランスで最も大きなプライベートジェットの会社の従業員は130名ほどで、国鉄SNCFの15万人や、パリ交通公団RATPの7万人近くとは比較にならないという情報も。

プライベートジェットについては、完全に禁止するという極端な案もあれば、税金をかけようという案などもある。ただ、プライベートジェットを使うのは基本的にお金持ちなので、税金を高くしても充分に払える人たちばかりで、プライベートジェットの飛行回数が減るわけではないという意見もある。

そして、コロナ禍を経て、プライベートジェットを利用するのも、以前のような富裕層や大企業の幹部だけではなく、レンタルのプライベートジェットで、普通(とはいえそれなりの収入がある)の家族が、使うようにもなっているという。さらには、乗合自動車のように、プライベートジェットの乗り合い、マッチングも提供するサービスも登場している。