フランスは夏休みの短縮はない

投稿日時 : 2020/06/15 17:00

「夏前に学校再開」
20 Minutes紙の表紙より。

日本でも本日から学校が通常に完全に戻った地域が多く、多くの学校では夏休みを短縮するなどの措置がすでに予告されている。

フランスも日曜夜のマクロン大統領のテレビ演説で、デコンフィヌモン(隔離解除)がさらに加速されることになった。なかでも、学校に関してはこれまでは「希望者のみ」が登校するというルールだったが、6月22日からは完全に通常に戻り、全ての生徒は学校に行かなければならない。これには高校生は含まれないが、義務教育の小学生と中学生が特に対象となる。

ただし、日本とは違って、夏休みには変更無しで、6月22日に再開しても二週間で夏休みになる。フランスは秋入学なので、これで今年度が終わりということだ。

日本では子どもたちの夏休みの短縮に何の議論が起きなかったように、フランスでは夏休みはこれまで通りで学習指導要領(そもそも指導目標が違う)が不完全でもほとんど議論がされず、大学受験に相当するバカロレアも今年はテストを中止した。(バカロレアも厳密には大学入試試験とは異なるので、あえて乱暴に例えると、日本でセンター試験が実施されず、その代わりに高校の内申点が大学入試で使われるというくらいのことだ。)

夏休みが短くなった日本の子どもたちと、これまで通りの夏休みがあるフランスの子どもたちでは、将来、今このような決断をした大人や政治に対する考え方が全く違ってくるだろう。