SDGsとラクレット

投稿日時 : 2022/12/16 17:30

「ラクレット:どうやってカーボン消費を制限するか」
仏版ハフポストのウェブサイトより。

フランスの冬と言えば、日本の鍋のようなものが、ラクレットだ。ジャガイモやハムなどに溶けたチーズをかける料理で、スキー場や雪深いところでは定番で、家庭でも簡単に作れ、日本でのたこ焼き器に相当するであろうラクレット器もある。ある調査ではフランス国民の33%が一番好きな料理と答えているという。

今週から冬本番の寒さもやってきて、サッカーのワールドカップでフランスチームが決勝に進むなどのお祭りムードも加わり、話題になっているのが、ラクレット。毎年冬にはラクレットに関する何らかの話題があるが、今年は、「カーボンカウント(仏:bilan carbone)」。これは、あらゆる製品や消費物に対して、それが作られる過程でどのくらいのCO2を排出しているかを割り出すというものだ。

ラクレットの場合、その材料である、チーズや豚肉製品、ジャガイモなどの生産にどのくらいのCO2が排出されているかを計算。もちろん、製造過程はもちろん、輸送も含まれる。それでチーズ1kgが食卓に来るまでに、乳牛の飼育、そこからチーズの製造、小売店への輸送などの全ての過程でのCO2排出量を計算する。

その結果、ラクレットの場合、実に一人あたりの一食分のC02排出量は、2kgだという。これだけではよくわからないが、参考として、季節の野菜で作ったラタトゥイユは一人あたり240gだというから、その10倍だ。さらに、この計算には、ラクレット器を使う電力は計算されておらず、同時に飲むワインの分も含めると、実に2.5kgになるという試算もあるという。

この計算で比重が高いのは肉製品なので、肉は排除してブロッコリーにしてはという案もあるが、それではラクレットではないという意見も。

日本では聞いただけでは意味がわからない「SDGs」という言葉が広まっているようだが、ほぼキャッチコピーだけの感もあるが、最近のフランスではこの「Bilan carbone:カーボンカウント」という言葉がよく聞かれるようになって久しい。あまりにも何にでも使われるくらいで、やり過ぎに見えるものもあるくらいだが、確実にフランス人の生活の意識も現実も変わっているように見える。