フランスの警察と人種差別。

投稿日時 : 2023/07/04 17:30

「提案:左派は警察の改革を模索:身近さ、“無罪放免”との戦い、そして人種差別…。」
Libération紙のウェブサイトより。

ナンテールの17歳の少年が警察官に射殺されてから始まったフランスの暴動2023。やや落ち着いてはきたものの、まだまだ火はくすぶっている感じで、これも実は数十年も前からある移民出身の子どもや孫、ひ孫たちの問題であり、パリをはじめとするフランスの大都市の郊外の街の問題でもあり、人によってはまたもや「イスラム」の問題であったり、「アラブ人」の問題であったりする。

そしてフランスで、もう何十年も続いているように、こうした問題が起こる度に、メディア、そして現在ではSNS上でも、多くの議論、口げんか、罵り合いが繰り広げられている。

そして、左派系の政党などが問題にするのが、警察の問題だ。フランスの左派政党連合は、何よりも警察の改革を求めているという。まずは、2017年に制定された国内治安法の一つで、「絶対的な必要がある条件で、その状況に応じた程度に、武器を使用することができる」という条項を廃止するように求めるという。これは「殺しのライセンス」とも評価され、曖昧な表現でなんでもできるように解釈できるという。さらに、警察と郊外の若者たちは、お互いを敵だとしている状況も改善するように、日本の交番のような地域の警察官のようなものを置くことも提案している。

そして、フランスの(一部の)警察官に根付いている人種差別主義についても向かい合わなければならないともしている。フランスの移民(の子孫)や若者の問題もあるが、フランスの権力としての警察にも問題はあるようだ。

発端となった少年の殺害の動画は現在解析中で、最初に大きく報じられたように、警官が「Shoote-le(撃て)」といったのか、それとも警官が主張しているように「Coupe-le(エンジンを切れ)」と言っているのかの分析にはまだ数日かかるといい、フランス政府やマクロン大統領は、最終的な事実の確認をまってから対応をすると見られている。