フランスでも(では)ここまで自主規制

投稿日時 : 2023/07/03 17:30

「ディエップのバンドデシネフェスティバルはデコルテを隠すためにポスターを変更」
Le Figaro紙のウェブサイトより。

日本でもたまにアニメのキャラクターなどを使った自治体のポスターに批判がでることがあるが、フランスでも先週末、「わいせつ(lascive)」だとして、今月末に大西洋岸のディエップで開催されるバンドデシネのフェスティバルのポスターが変更され、大きな話題になった。

表現の自由を認めるフランスでは、かなりまれな事で、メディアが大きくとりあげ、SNSでも拡散されている。

これは、バンドデシネのフェスティバルで招待されており、バンドデシネ作家のJIMの代表作、Une Nuit à Rome(ローマの一夜)の登場人物が使われたポスターが問題になった。当初は、この女性の登場人物はデコルテを着用していただけだが、変更後はデコルテは積まれた本で隠され、肩紐の部分も太くされた。

主催者側である市は、バンドデシネ協会とも協議の上、変更を求めたという。実は5月にあったBraderie du Pollet(ポレの古物市)のポスターでも、買い物袋をいっぱい持った女性が男性の肩に担がれているという、「sexiste:性差別」だと非難されており、今回は自治体が過敏に反応して、あらかじめ「議論を引き起こす」可能性があるポスターを変更となった。

自治体の説明では「個々のバンドデシネという作品では表現の自由があって当然ではあるが、ポスターという一般への告知での表現については“卑猥”と理解されかねない表現は避けた方がよい」という判断だという。

SNSなどではこれはやり過ぎだと、「ハッシュタグひわい」とか、自分のデコルテの写真の投稿、さらには男性のデコルテの写真の投稿などが見られる。