火は燃え続ける。

投稿日時 : 2023/06/30 17:30

「ナヘルの死:ナンテールではもう、“この夏中続くはず”」
Libération紙のウェブサイトより。

日本でも、衝撃的な映像と話題で取り上げられたナンテールでの事件。フランスでも、「警官による暴力(死亡事件)」、「移民問題」、「郊外の治安問題」、「若者の反抗」など、20世紀後半からすでにフランスで大きな問題となるテーマが重なりあい、メディアでも大きく取り上げられている。

ナンテールでは、死亡した17歳の少年の母親の呼びかけで自発的なデモ行進があり、6000人近くが集まったという。そしてパリ近郊だけではなく、フランス全土で、警察に対する激しい抗議活動が続いており、収まる気配は全く見られない。

被害を恐れる公共交通機関では、一部のバス路線などの運休も行っている。

事件の詳細はまだ確定していないが、メディアでは、必ずしも警察の発砲はやり過ぎだという一方的なものばかりではなく、そもそもここ数年、警察の指示に背くケースが増加していることや、すでにこの少年は15件の刑事裁判で名前が挙がっていたり、警察の指示を何度も拒否していたことも報じられている。

さらに、極右派政党や極左系政党は、それぞれ、「移民に問題がある」「警察の暴力は許せない」などという言い分を(いつものように)繰り広げ、状況をあおっているようにも見える。そして少年ナヘルが住んでいた地域では、住民の若者たちがバリケードなどを作り始め、警察と完全に武力・暴力で対峙する構えを見せている。

どこかで沈静化するのか、どこまで悪化するのかまだわからない。