外を見る、内を見る

投稿日時 : 2020/03/31 18:00

国営TV局France 5の情報番組より。

大統領が「宣戦布告」をして「国民総外出制限」にあるようなフランスと、「緊急事態宣言」すらを迷っていて、「自粛」にとどまるような日本では状況は違うが、同じように世界的なパンデミックに襲われているなか、あきらかに違いが見えることの一つはやはりメディアの態度だろう。

日本はパンデミックの全体を見る俯瞰もなく、医療現場などの前線での状況を伝えることもなく、表面的で視覚的な情報ばかりが多く目に付く。これはなにも今回のCOVID-19に限ったことではないが、こうした世界的に大きく、共通の問題となると、それぞれの国のメディアの特色がよく見え、それはつまりその受け手であるそれぞれの国民の世論や考え方にも繋がるとも言える。

フランスの状況はイタリアやスペインほどは深刻ではないものの、日本で公表されている感染者数・死者数と比べればかなり厳しい。それでも、フランスのメディアは、フランス国内だけではなく、世界で起こっていることにも目を向けている。

M6の報道番組「Enquête exclusive」より。韓国。

日曜夜に放送されている民放テレビ局M6(日本でいうとテレビ東京か)では、アジア諸国の現在の状況を紹介。韓国では、(フランスとは違って)ドライブスルーの検査を始めたことにあるように、早期から多くの人の検査をしたことで拡大を食い止められたこと、台湾では政府がイヌのキャラクターで啓蒙活動をしていること、そして日本は。。。。先週末、花見の季節で人が多く出歩き、クラブでは若者達が無頓着に遊んでいる姿が放映された。

M6の報道番組「Enquête exclusive」より。台湾。
M6の報道番組「Enquête exclusive」より。日本の花見。
M6の報道番組「Enquête exclusive」より。日本のクラブ。


別の番組では、アメリカの大統領が密に集まった場所で、手渡しでペンを配っている姿を紹介。

アフリカや南アメリカの状況はもちろん、ホームレスだけではなく、売春婦などの話題も取り上げられ、医療現場の医者や看護婦はもちろん、治った人たちの声も伝えられている。自宅待機している人たちの方も、アパートの中庭で毎晩プロジェクターで映画上映をする試みや、オンラインで無料でパソコンレッスンをする学生なども紹介されている。