フランスの連帯精神

投稿日時 : 2020/04/01 18:00

「リヨン近郊、とある老人ホーム職員は、利用者といっしょに篭城(そしてパーティーを開く)」
無料情報紙Le Bonbonのサイトより。


日本では全く報じられないCOVID-19関連の話題は路上生活者などの少数派の状況や、最前線で戦う医療現場、さらには退院した人びとの状況だけではない。
高齢者、そして老人ホームの状況の話題はフランスでは常に報じられている。
早くに大統領が訪問したのも老人ホームだった。かつての猛暑での惨劇があることも確かだが、高齢者でCOVID-19に感染しながらも生還した老夫婦の話題もあった。

そしてここ数日大きく取り上げられているのが、このリヨン近郊にある老人ホームの話題だ。

施設を利用する高齢者が外出できなく、面会も禁止なのは当然としても、自発的に職員も、この施設に泊まり込み、利用者の高齢者とともに「外出制限」の期間を過ごしている。

医療関係者や運送業者などで、自らの労働環境の悪さを訴えて「働かない権利」を主張している人もいるが、フランスでは逆に、こうして自発的に、他者のために献身的に動く人達もいる。

これは、フランスが大切にする「ソリダリテ(Solidalité:連帯、互助)」の精神で、フランスの標語「自由・平等・博愛」でいうと、博愛だが、現代では、自由・平等・連帯(リベルテ・エガリテ・ソリダリテ)だという人達もいる。

このリヨン近郊の老人ホームの職員たちは3月18日から利用者とともに「篭城」状態だが、感染者はでていなく、利用者たちと楽しく過ごしているという。