フランス人の一番の関心事

投稿日時 : 2021/10/22 17:30

「給与:大統領選挙の中心に購買力」
L’Humanité紙のウェブサイトより。

昨晩、フランスのカステックス首相は、ガソリンの値上げに対しての対応策を発表した。ガソリン税の値上げやガソリンチケットの配布などが検討されていたというが、政府が発表したのは、月の収入が2000ユーロ以下(手取り。26万円程度)の全ての人(会社員はもちろん、年金受給者や失業者なども)に、一回限りの100ユーロ(13000円程度)の「インフレーション手当」を振り込むとした。対象となる国民は3800万人という。

さらに、首相は、ガス料金についても2022年末まで値上げはないと発表した。

とりあえず、この発表は概ね好意的に受け入れられているが、「何もないよりはまし」という程度だったり、こうした「ばらまき」があっても、来年の大統領選挙に与党が有利になるほどではないと、わりと冷ややかな反応もある。

新年度に入ってからの電気やガス料金の値上げやガソリンの値上げなどもあり、話題になっているのが、購買力(Pouvoir d’achat)だ。最近のある調査では、フランス国民の75%がこの一年で購買力が低下したと答え、この冬は暖房費を節約するために、家の中でも少し厚着をするというフランス人が多いとも言われている。

別の調査でも、来年の大統領選挙の重要なテーマの一つが購買力だといい、9月から購買力への関心が強まっており、いつもの大統領選挙では一番の問題とされる「移民問題」や「安全」よりも強い関心があるという。