年金制度改革で戦々恐々とするフランス

投稿日時 : 2023/01/12 17:30

「BFMTVの世論調査:年金制度改革反対の動員にフランス人の60%は賛成」
民間ニュース専門メディアBFMTVのウェブサイトより。

あと一週間。フランスの大手労働組合が共同声明を出し、1月19日に年金制度改革に反対するデモを呼びかけ、フランスのメディアはほぼこの話題ばかり。

日本とは違い、年末にかけて感染拡大も危惧されたパンデミックの状況は改善しており、冬の寒さも、気候問題に敏感なフランスとしては心配されるくらい寒くなく、この年金制度改革の話題が大きくなっている。コロナ禍で、改革は棚上げされていた形だが、コロナ禍を経て、再稼働され、それに伴い、制度改革に反対する動きも再開されている。

ただし、コロナ禍、そしてウクライナ情勢もあり、光熱費の上昇やインフレという状況になり、政府もコロナ以前の計画から軌道修正しており、右派政党や企業の経営側からは賛同されている。一部の世論調査では、国民の大半は基準年齢の引き上げには賛成していなかったり、反対派の動向にも賛成しているという数字もでている。

19日は、久々にフランス全土で大きなデモが予定されているが、メディアでの様々な識者の見解は、蓋を開けてみないとわからないという。組合側はもちろん、多くの参加を期待し、この運動が続くことが理想だが、19日の動員数次第で、今後の戦略を練り直すという発言もあったりする。様々な組合の代表なども、テレビなどに引っ張りだこで、1週間後の大きな盛り上がりを期待しているようだ。

そして政府の方も、来週の盛り上がりなどを見て、今後の戦略を調整してくるはずだ。