パリの女性市長のこれから

投稿日時 : 2022/05/19 17:30

「緑地化、乗り合い専用レーン:パリ市長は環状線を“グリーンベルト”に変えたい」
民間ニュース専門局BFMTVのウェブサイトより。

昨日の記者会見でパリ市長が発表したのは、これまでは排気ガスで「灰色」のパリの環状線を、「グリーン」にするというもの。

パリ市長といえば、この春の大統領選挙では、社会党系候補として、歴史的な低さの得票率で、まったくだめだったアンヌ・イダルゴ氏だ。万が一にも、大統領になれば当然、パリ市長は辞めていたはずだが、まったく話題にもならず、パリ市長を続けることになっていた。

そして、先日の女性首相の任命、しかも、環境問題にも強いとされる女性首相に対抗するように(というニュアンスのコメントもメディアやSNSで見られる)、パリ市長も2030年に向けたパリ氏の新しい環境対策方針を発表した。

まずは、2024年のパリ五輪までに、「新しい習慣を後押しするため」に、環状線のレーンの一つをバスやタクシー、そしてCovoiturage(コヴォワチュラージュ:乗り合い)専用レーンにするという。この「乗り合い」というのは、フランスやヨーロッパでは何年も前から取り入れられている環境に優しい自動車の使い方で、専用アプリなどで同じルートを使う人をマッチングさせて、一台の自動車に何人も人が乗って移動するというものだ。

さらに、環状線に樹木を植えることも進めるという。すでに2024年までに5万本を予定していたが、さらに2万本を追加したという。

明らかに環境に配慮したような計画だが、エコロジー系政党はもちろん、パリ警察、そして国とも方針が一致していないポイントが多く、細かな点でどこまで実現されるかはわからない。例えば最高速度制限を、70km/hから50km/hにすることや、環状線の出入り口であるポルト(門)界隈の再開発・再整備など。