冬にトマトはいらない。

投稿日時 : 2019/05/31 18:30

南仏の地方紙 La Dépêche du Midiのサイトより。「有機農業:ヒーター付温室への不審」

5月30日、フランスの有機農業の連合(FNAB : Fédération nationale d’agriculture biologique)が、オンラインで署名を募り始めたのは、有機農業では、ヒーター付きの温室を使うことは止めようというもの。この団体が農作物がBIOであるかどうかの基準を決めているが、冬場でも食べられるようにと、重油を使って温めた温室で作られたトマトは、ビオというラベルを貼るには適さないという主張だ。

この署名運動には、ニコラ・ユロ基金や、Réseau Action climet、グリーンピースも賛同していて、著名な60名の料理人も署名に参加している。

近年のフランスでのビオの流行によって、有機野菜の需要が高まり、これまでは、ヒーター付き温室での有機野菜の栽培は微々たるものだったが、今後、消費者の需要に応えるために増える可能性がある。

ところが、こうした温室を使っている側からすれば、スペインやトルコなどからの輸入トマトの方が、環境の観点からは悪いと反論。それでもある団体によれば、ブルターニュのヒーター付き温室で栽培されたトマトは、スペインからトラックで運ばれるトマトよりも4倍も温室効果が高いという。

この署名活動と、メディアを通じた広報活動で、政府にも圧力をかけ、7月11日に開催される全国有機農業会議で結果を出したいという。

オンラインの署名サイト。「冬に有機トマトはいらない」