組合に対して後退するフランス政府

投稿日時 : 2019/11/14 18:15

「スーパーマーケットの夜間営業:政府は組合と対峙して後退」経済誌Captalのサイトより。

本日、11月14日は公立病院関係者の大規模なデモが予定されている。近年、病院の労働環境などは問題にされているが、食料品を販売するスーパーでの労働もわりと話題にされている。

日本では、コンビニの24時間営業を削減する方向で世の中が動いているが、これまでそもそも24時間営業はもとより、日曜・祝日営業ですら例外的だったフランスでは、休日の営業だけでなく、夜間営業の解禁の動きがある。

11月13日、政府は、当初は閣僚会議で新しい法案が提出する予定であったが、食料品販売小売店の夜間営業に関する関係者懇談会を設けるとだけ発表。この新しい法案では、現在すでに映画やディスコ、演劇公演などの夜間営業する業種に例外的に(原則として、労働者の権利として夜間労働は禁止)認められている夜間(21時から24時)までの労働を、食料品販売小売業種にも適用させるというもの。

ただし。この条件の話し合いで、労働者組合、政府、経営者側が三つ巴で、落としどころを模索中。例えば、現在は、国際観光地域に指定されている地域では夜間営業が認められているが、下記の条件がある:2倍の労働報酬、労働者の希望が明確であること、食事の提供、子どもの世話の確保、帰りの交通の保証。

ただ、今回の当初の法案ではこうした厳しい制限はなく、これでは政府も労働者組合側からの反発をかうと判断したとされる。

労働者組合は当然、労働者の健康や家族生活をまもるために、夜間労働には原則反対の立場だ。「豆の缶詰を一つ売るために、夜中まで子どもを預けて働かせるのか。」

とはいえ、現実には、すでに多くの小売店は日曜や夜間にも店を開け、働かせている。新しい法案は、このグレーな現実に、法的根拠を与えるだけという見解もある。