正しい綴りで、職探し

投稿日時 : 2019/07/03 18:30

Le Figaro紙のサイトより。「綴り方:採用する側もされる側と同じくらい苦労している」

金曜日にバカロレアの結果が発表されるが、Le Figaro紙では、求人サイト Quapa.frによる調査をとりあげた。それによると、68%のフランス人は、多くの職業では正しくかけなくても差し支えがないと考えているという。

フランスの求人で多く見られる表記に「Orthographe irréprochable」(非の打ち所がない綴り)というのがあり、これは職を得るためには重要だとされてきたが、実際は、そうした求人の文面自体にも、58%の文面に3つ以上のミスがあったという。2015年、4年前はこの割合は40%だったという。

志望動機に文法や綴り間違いがあったと指摘された人は5%しかいなかったという。2015年には、61%のフランス人が自分は正しいフランス語を使っているといっていたが、2019年は51%が自分のフランス語に自信がなく、間違いがあると認めている。

また、履歴書や志望動機を書いた後に読み返す割合は、2015年の94%から87%に下がった。さらに、2015年には98%の人が綴りや文法は重要だと答えていたのに、2019年にはそれが77%になった。

それでも、専門家によると、綴りや文法の間違いは、仕事の上では重要で、そうした間違いをする人には、大事な仕事を任せられない(顧客などへの手紙など)という。欧米ではタバコをすっていたり、肥満の人が自己管理能力がないと判断されるように、綴りや文法に弱い人も仕事上はあまり評価されないのも現実だ。

2015年以降というと、やはりスマホなどの影響もあるだろう。日本人が漢字を書けないのと同じ感覚だが、日本での就職の場合、漢字を手書き出来ることはフランスでの綴りよりも重要ではないかもしれない。

ところで、フランスの求人に「Orthographe irréprochable」とあるのは、別の見方をすれば、性別や人種などを特定する条件は違法とされるフランスで、こうして書けば、若者言葉が抜けない郊外の若者たちはもちろん、フランス語を完全に習得していない外国人なども排除できる巧妙な言い回しだといえないこともない。