新しい(世界)市民運動(?)

投稿日時 : 2019/07/02 18:30

L’Express誌のサイトより。「エクスティンクション・レベリオン、実力行使を続けるエコロジー運動の誕生」

6月28日猛暑が襲うパリの、Sully橋を占拠していたのは、2018年10月にイギリスで生まれた、「extinction rebellion」(英語では、エクスティンクション・レベリオン、だが、フランス語発音では、エクスタンクシオン・レベリヨン。通称XR)のフランスのメンバー、急進エコロジー運動で、フランスでもすでに6000人ほどの活動員がいるという。3月24日にパリで正式に(?)フランスのXRの発足があった。

6月28日は、「平和的」に、Sully橋の上で座り込みを始め、環境問題に対する政府の態度を批判。写真は、彼らをどかせようとCRS(機動隊)が催涙ガスをアビさせているところで、この映像、そして動画はSNSなどでたちまち拡散されている。軽く炎上したのは、暴力的でない人たちに催涙ガスという「暴力」を使うのはどういうことかということで、機動隊側はもちろん、いっても聞かなかったから当然の処置という返答。パリ検察庁は、これが正当な権力行使であったか調査を始めている。

この次の土曜日、やはり猛暑の中、ジレ・ジョーヌも毎週のデモを続けたが、ここまで大きく取り上げられることはなかった。

XRは従来のデモのやり方では、政府にも、世論にも響かないと、自分たちの意思表明の方法として、「désobéissance civile et non-vioente」(市民的かつ無暴力不服従」を掲げる。組織もヒエラルキー型ではなく、ローカルや横の繋がりを重視。ジレ・ジョーヌと似ているが、XRは主張ははっきりと環境問題だ。場合によっては法を犯すことも覚悟しているが、モノを破壊すること(環境保全の精神に反する)ことはしないという。

フランスでは5月のヨーロッパ議会選挙でエコロジー政党が第三党になり、市民運動レベルでもこうしたエコロジー関係の運動がいくつも出てきている。猛暑は一段落したフランスだが、誰しもが環境問題には敏感にならざるを得ない。

日本では7月には参議院選挙があるが、男女のパリテもまだまだで、環境問題も政治の重要なテーマになる日はいつになるだろうか。