東京2020が停滞する間にも、パリ2024は動き出す。

投稿日時 : 2020/07/08 18:00

「北駅:再開発にゴーサイン、“パリに新しいノートル・ダム・デ・ランド”になるのか?」
仏版Huffpostのサイトより。

2023年のラグビーW杯、そして2024年のパリオリンピックに向けて、パリの北駅の再開発計画に、8日(火)、ゴーサインが出されたという。これはイル・ド・フランス県が建築許可を出したというものだ。

これまでもこの再開発にあたっては、パリ市も最初は指示をしていたものの、途中で、あまりにも商業的な部分が甥と反対をしたり、多くの反対意見などがあり議論になっていた。

許可が出たとはいえ、今後、パリ市も、建築家たちの団体も反対運動をするはずで、パリ市の副市長の一人は、すでに「あらゆる政治的、法的手段を使っても反対する」と言っているという。

仏版ハフポストのタイトルでは、パリにまた「ノートル・ダム・デ・ランド」を作るのかとある。このフランス大西洋岸部の都市は、1970年代に空港建設の話がでて、その後は、地元の反発や各種の団体などの反対活動もあり、結局は、2018年になってやっと最終的にその計画の廃止が決定されたというものだ。数十年にわたるこの“闘争”で当然この地域は疲弊してしまった。

パリの北駅のこの再開発、計画では、北駅に商業施設や文化施設を併設し、ヨーロッパで最大といわれる利用者という消費者をターゲットにした計画だ。(もちろん建前はいろいろとある)。日本では駅に商業施設が隣接しているのはあたりまえで、場所によっては駅としての従来の機能よりも、商業的部分の割合が多いところも多々あるが、フランス全土でも、パリでも、駅はこれまでは原則として駅でしかない。反対派は、駅という人が集まるポイントで商売をしようということ自体に反対しており、いくら文化的施設を提案しても、環境に配慮した緑地スペースなどを配置しても、話は平行線でしかないようだ。

現時点での再開発案がそのまま実現するとは思えないが、場合によっては完全に実現されない可能性もないとも言い切れない。オリンピックに向けた東京での再開発とは全く違う進み方になりそうだ。

さらには、Covid-19によって、感染症対策も重要なポイントとなることは必死で、バカンス明け(バカンスの間は原則デモもやらない)から、パリでの大きな問題となりそうだ。