フランスのニートは100万人近く

投稿日時 : 2021/02/11 18:00

「貧困化した学生たちの“やりくり”」
2/11付けLe Monde紙の紙面。

日本ではほぼまったく学生や若者の状況が報道されないだけに、余計にフランスのメディアで取り上げられる若者の話題が目につく。

2月11日付けのLe Monde紙でも、見開き2ページと、続く1面で、若者の状況を伝えている。

学生と一言でいっても、地方の学生や、さまざまな専攻、学年の学生、さらには留学生など、さまざまなケースを取材している。また、学生でもなく、働いてもいない、「ニート」(フランスでも英語の“NEET”)の問題もとりあげ、16歳から25歳で学生でもなく、仕事もない「ニート」は963000人いるという。そしてLe Monde紙が問題としたのが、このフランス人ニートには一切の支援が無いことだ。

「危機状況にもかかわらず、若者の生活保護は問題にされない」
2/11付けLe Monde紙の紙面。

おじいさん世代の女性蔑視発言や学校のいじめを「しかたがない」と、メディアも社会もしてしまう日本では、ニートに生活補助がないのも「当然」と考えることが一般的だが、Le Monde紙では専門家によると、若者への支援・補助がないのはおかしく、これはフランスの古きカトリック由来の伝統で、家族が面倒をみるべきという考え方があるからと紹介。他のヨーロッパの国などでは、支援があったり、フランスでもこうした若者支援のための財政問題があると問題の概要を解説している。