フランスの暗黒面

投稿日時 : 2021/02/12 18:03

「近親相姦:“カミーユ・クシュネールという名前がないと、早く進まないと、被害者たちは怒っている”」
国営ラジオ局France Interのサイトより。
カミーユ・クシュネールとは、1か月前に自らの家族内での近親相姦を語った本を出版した女性

このブログではしばし、環境問題や政治や社会など、「意識高い系」のフランスを取り上げている。日本「から」見ている視点では、フランスでの考え方や行動様式から学ぶことがあったり、日本での出来事に新しい見方を提案できることがあるからだ。なので、単純に、フランスがよい、というのではなく、日本とは別の考え方・行動から学ぶことがあるということだ。

なので、フランスにも悪いところ、闇の側面も多々ある。その一つが、数週間前から話題になっている近親相姦の話題だ。これは、先月、政治家一家で起きた近親相姦を、親族の一人が暴露本を発表したことから拡がっている話題で、最初に発表した政治家家族に続いて様々なフランスの著名人などが近親相姦をしていたなどと告発され、裁判がはじまったものもあり、SNS上でもハッシュタグ、「#MeTooInceste」で話題になっている。

さらには、近親相姦だけではなく、様々な業界内でのパワハラ的な(という風にはフランスではとりあげないが)レイプ、そしてペドフィリア(幼児性愛)の話題が取り上げられている。扱いが大きかったのはやはり、フランスの著名人が、過去に近親相姦やレイプ、またはペドフィリアの被害に遭っていたとカミングアウトする場合だが、SNS上なのでは、一般の人たちもカミングアウトしたり、裁判を起こしたり、ちょっとした運動が起こっており、パリの幼児虐待やレイプ専門の弁護士事務所には問合せなどが殺到しているという。