フランス「も」少子化

投稿日時 : 2021/01/22 18:00

「炭素排出を減らす効果」
上から:電球を変える、リサイクルをする、水で洗濯機を回す、子どもを一人少なく持つ。
Arteの平日のニュース番組 28 minutesより。

今週発表された2020年のフランスの出生数は、6年連続の減少で、1945年以来最も出生数が少なかったという。

2020年のフランスの出生数は74万で、前年から1万3千の減少という。しばらく前までは日本からみるとフランスは出生数が多い先進国という紹介がされていたが、フランスではまさに「少子化」だ。

ここ数日はメディアではその分析や解説が紹介されている。仏独共同テレビ局Arte(アルテ)でも、専門家やジャーナリストを交えての討論会があった。

その中で、衝撃的な調査として紹介されたのが、2018年(3年前!)に発表された、炭素排出(カーボンフットプリント、仏語:empreinte carbone)の調査。それによると、年間の炭素排出量は、電球をLEDにしたり、洗濯機でお湯を使わなかったり(フランスではお湯を使うのが普通)、燃料自動車を使わないよりも、子どもを1人持たないだけで60倍も効果があるという。当時も話題になり、物議をうみ、「環境保護のため、地球のために子どもを産まない」という選択がエコロジー的とする考え方となった。

ただ、この科学雑誌の調査では、表現の仕方が衝撃的すぎたといい、厳密には、「問題は、子どもを持つ・持たないではなく、子どもたちが生まれる過度の消費社会自体が問題だ」と訂正されたという。

それでも、別の最近の意識調査では、24%のフランス人(男女)が子どもを持つという判断に、気候変動の状況を考慮すると答えており、さらに18-24歳のこれから子どもを産む世代ではこの割合が38%に上るという。