マスタードとフランス、カナダ。そしてウクライナとロシア。

投稿日時 : 2022/07/22 17:30

「フランス(と世界中)を襲うマスタードの不足を知る三つの質問」
ニュース専門国営ラジオ局France Infoのウェブサイトより。
(写真は6月4日のパリのとあるスーパー)

日本でも食料品などの値上げの話題がたまに取り上げられているが、フランスでは、この一年でマスタードが14%も上昇しているという。

数週間前からは、スーパーの棚にもマスタードは見られなくなっているという。

フランスではマスタードが多く使われるが、実はマスタードシードの生産に関しては、フランスはその8割はカナダからの輸入に頼っているという。そしてカナダは世界で一番のマスタードシードの輸出国である。ところが、2021年の収穫が壊滅的だった上に、世界中の小麦不足で、マスタードシード農家が小麦の生産を始めたこと、そしてカナダに次ぐ生産国はロシアやウクライナで、さらにマスタードシードの確保が難しくなっているという。

SNSでは、この事態に乗じて、マスタード業界による陰謀説まででており、マスタードの値上げをするためにフェイクニュースを流しているという。ただ、フェイクニュースはこの陰謀論のほうで、年内はフランス(世界中)では、マスタードの需要に生産が追いつかないという。

それでも今年の秋以降の収穫からは改善傾向にあり、マスタードシード農家も現状のマスタード不足(とそれに伴う買い上げ価格の上昇)に対応して再度生産を始めており、来年以降は戻っていくという。