想定外に即座に対応するフランス。

投稿日時 : 2022/07/21 17:30

「気候:ジロンド地方の山火事にもかかわらず、エマニュエル・マクロンのロードマップは変わらず」
Le Monde紙のウェブサイトより。

7月12日からフランスの南西部で続いている山火事は、本日までにすでに21000ヘクタールを焼き尽くし、避難した人は4万人近く。文字通り、未曾有の山火事に、マクロン大統領は昨日、現地視察をし、消火活動に励む消防士を訪問したりした。

国として、燃えた山林の再生を約束したほか、こうした山火事にフランスで使われている空中消火用の航空機、Canadair(カナデール)、も現在は20数機しかないうえに、平均年数は24年という老朽化が進んでいるため、この設備を新しくすること、しかもフランスだけではなく、ヨーロッパとして対応するという発表もした。

ただし、現場の意見では、森林の近くにカナデールを配置することが重要で、山火事が制御不能なまでに大きくなる前に素早く対応できることが重要だという。そして、Le Monde紙の記事も、大統領選の前には、「次の任期はエコロジーであるか、そうでないかだ」と言い切っていたにもかかわらず、大統領選挙ではほとんど環境に関する具体的な議論もなく、場当たり的な対応しかしていないとしている。

一方、フランス国民の家計の火の車に関しては、与党勢力が過半すでなくなった国会で、政府が提出した最初の「購買力対策法案」の一つが昨日、満場一致から二票だけ欠けて承認された。これは、年金や家族手当、成年の障害手当などが、インフレを考慮して4%上乗せされるという法案で、7月1日に遡って適用されるという。

そして、日本では拡大しつつあるパンデミックの第七波だが、フランスでは、先日もマクロン大統領がコメントしたように、すでにピークは過ぎているという認識で、今年に入ってからは完全に「ウィズコロナ」で生活が続いているようだ。

ジロンド地方の山火事は落ち着いてきているというが、他の地方や、他の国でもまだ油断はできないという。