南仏:住民は公共交通は無料に。

投稿日時 : 2023/12/22 17:30

「公共交通無料:モンペリエ、人気の政策のうらには、大きな政治的な賭け」
地方紙Midi Libreのウェブサイトより。

南仏とは言え、モンペリエのことだが、住民にはトラムウェイやバスなどの公共交通機関の利用が無料になった。

これは、2020年に市長に選ばれた社会党の市長が公約していたもので、段階的に公共交通の無料化が進んでいたが、昨日からは、事前にモンペリエに住民票があり手続きをして、カードやスマホで登録した市民全てが公共交通を無料で利用できることになった。毎年、住民票があることを証明しなければいけないが、全ての住民が無料で移動できることになる。

実はすでにフランス国内では30近くの自治体が同様の取り組みをしているが、モンペリエくらいの都市では初めてで、人口50万近い都市では、大きな取り組みだという。この取り組みは、そこまで観光都市ではないモンペリエでは、まずはエコロジーの観点、そして住民の利便性・公共サービス、そして住民の移動を活性化することによる経済の活性化が目的とされている。

ただし、もちろん、課題はまだまだあり、収入源が減る分をどうするのか(旅行者や、近隣の自治体から来る人の料金は値上げも検討されていたり、法人税でまかなうという案もあるという)、無料にすることで、路線の維持がおろそかになり、結果的に利用者も減るとう懸念もあるという。

それでも、この住民の公共交通無料という流れはあることは確かで、モンペリエのケースが、さらに改善されることもありうるし、その後、別の自治体、さらに大きな自治体でも始まる可能性もある。