大統領選まで70日を切った。

投稿日時 : 2022/01/31 17:30

「大統領選2022:クリスティアンヌ・トビラ氏の勝利で何かが変わるのか?」
仏版Huffpostのウェブサイトより。

昨日結果が発表されたのは、フランスの大統領選挙に向けて、市民団体が左派系の統一候補を選ぶために行った予備選挙だ。

本来は、乱立する左派系候補から、本当に大統領選挙に勝つことができる唯一の候補者を選んで、大統領選挙に臨むというものだった。左派系の市民団体がそのような仕組みをつくり、数十万人の国民の登録を得て、選挙が行われた。

ところが、当初から肝心の政治家、立候補者からはこの仕組みを認めない、誰が選ばれても自分は立候補をやめることなない、などの非協力的な発言が続いていた。

投票の結果、一番遅れて出馬表明をした元法相のトビラ氏が一番になった。一般の世論調査でトップのメランション氏やエコロジー政党の予備選挙で選ばれたジャド氏を抑えてだ。この結果を受けても、誰もトビラ氏の支持に回るとはいわず。「また一人の候補が増えただけ」とか、「さらに混乱した」とか、「何も変わっていない」など、一般の受け止めは厳しい、というか冷ややかだ。

大統領選挙の第一次投票まで70日を切ったが、左派系がまとまらず、極右系も伝統的極右政党と振興極右勢力で支持を分けているというのが、ざっくりとした状況だろうか。これは右派系政党や、まだ正式には出馬表明をしていないマクロン現大統領には好都合とされる。

先週末には若者に人気の司会者シリル・アヌナによる政治討論番組で、極左候補と極右候補の討論があったが、ほぼ罵り合いのようなショーになってしまい、どちらの陣営もプライムタイムで発言できたが、損をしただけという受け取りが多い。

現在のフランスでの感染の波が落ち着き、マクロン現大統領が正式に表明すれば、本格的な政策議論が見られるだろうか。ポストコロナのビジョン、ロードマップを提示できる候補がいるのかどうか。