パリに女性だけのレストラン

投稿日時 : 2024/03/29 17:30

「マノン・フルリ、的を射る女性シェフ」
国営ラジオ局France Infoのウェブサイトより。
(画像はFrance 2の番組。同じ国営放送なので、ウェブサイトで視聴できる)

3月21日、フランスの国営TV、France 2の番組「Envoyé spécial」で放映されたのは、元フェンシングのジュニアチャンピオンで、その後、料理の世界で修行を積み、昨年秋にパリでレストランを開業、そしてこの3月にミシュランで一つ星を獲得したマノン・フルリのドキュメンタリーだ。

彼女のレストランの厨房で働くのは全て女性。政治の世界では、パリテなど、一応かたちとしては男女平等で、日本から見れば、フランス人女性は自由で独立しているイメージがあるが、実は外食産業などは男性社会で、もちろんセクハラやパワハラがまだまだあるという。

テレビ業界や映画界では、最近になってmetoo運動にあるように、女性が声を挙げる動きがでてきているが、料理業界についてはまだまだで、フルリシェフはそこに一石を投じている。

このドキュメンタリーは、日本で言えば「クローズアップ現代」みたいな番組で、国営とはいえ、司会の女性もかなりつっこんだテーマで取材をすることが多い。先週の放映後、マノン・フルリに対しては誹謗中傷もSNSで多いという。そしてレストランにいったこともない人たちがレストランに対する否定的なコメントも投稿するなどし、プラットフォーム側が対応せざるを得ないような騒ぎになっている。

こうしたコメントがあること自体も含め、フランスの料理業界にパリテ、あるいは「多様性」が認められるのはまだまだ先のようだとも言われている。