結果発表

投稿日時 : 2022/06/20 17:30

「議会選挙の結果でバグったマクロンの計算」
仏版Huffpostのウェブサイトより。

5年に一度の議会選挙が終わったフランス。昨晩の開票速報から、夜中まで、さらには今朝も引き続き、その結果についての解説やコメントであふれるフランスのメディア。

日本でも結果は多少伝えられているが、大枠は、マクロン氏の与党勢力が絶対的過半数をとれずに力を弱めたという点だけ。日本ではフランスの細かな政党間のせめぎ合いは伝えられることもなく、もちろん需要もない。

フランスでは、メディアや解説者によって、どこを重要に捉えるかは様々で、いろんなポイントがある。
これからバカンスまでに、マクロン氏と地元の選挙で当選したボルヌ首相はこれから内閣の微調整(議会選挙に出馬して選ばれなかった大臣は原則、辞任)をすることになり、新しい議会勢力も鑑みて、バカンス明けからの新年度、マクロン大統領のシーズン2が準備されるという不確定要素はあるが、すでに下記のようなポイントが取り上げられている。

・左派連合は予想されていたほどはもちろん、自分たちがのぞんでいたほど(メランション氏が首相になるほど)は得票をえられなかった。
・左派連合の今後(これからも極左系政党、共産党、エコロジー政党など)はどうなるのか。議会選挙のための連合だったが、これで左派勢力の復活だという意見もあれば、議会が始まればまた分かれるという意見も。またもちろん首相にもなれず、議員でもなく、党首にもならないメランション氏の動向にも注目されるという。
・極右政党は、メディアも議会選挙であまり取り上げていなかったkが、歴史的な議席数を確保し、党首のマリーヌ・ルペン氏は、実質的にフランスの「第一党」だと豪語しており、極右政党の今後の勢力拡大も注目ポイントであるという。
・とはいえ、もう一つの極右政党のエリック・ゼムール氏は自身も当選できず、今後はほとんどフランスの政治への影響はなくなるとされる。
・懸念されていた投票率は、予想通りの低さで、予想通り、若者を中心に選挙に行かない層が広がっており、政治家はこうした層への働きかけも今後の課題となる。日本の選挙に行かない層と決定的に違うのは、こうした層は政治に関心がないわけではなく、現在の政治への不信感などがあり、「政治的」な意思表示での不投票も多くあり、今後の社会情勢次第では選挙以外でデモやストなどで行動に移す可能性があるということだろうか。

結果としては、今回の選挙ではそこまで大きなサプライズはなかったが、マクロン大統領の二期目の5年はかなり厳しくなることが確実になったとされる。この結果を受けて政権がどう反応するか、そしてバカンス明け意向のフランスの状況で、国民がどういう声を上げるかがポイントになるだろう。