あと50日でも不透明な東京五輪と、確実になってきたフランスの夏のバカンス

投稿日時 : 2021/06/03 17:30

「12-18歳のワクチン接種、フランス国内でのバカンス、マスク着用…。エマニュエル・マクロンが語ったこと」
Le Parisien紙のサイトより。

1か月近く続く「地方巡業」にでたマクロン大統領、フランス南西部のロットで記者会見をして、Covid-19に関しての今後の方針などを発表した。

日本でもようやくワクチン接種が加速してきたが、フランスはそこからさらにギヤが二つも三つもやはり速い。5月31日にすでに18歳以上の全ての国民にワクチン接種が解禁されたが、6月15日からは12-18歳にもワクチン接種を始めるという。もちろん、義務ではなく、希望者のみ、しかも未成年なので、親の承諾があってという条件付きだ。

しばらくは1000人以上が参加するイベントなどでは、ワクチン接種を受けていることなどを、「衛生パスポート(Pass sanitaire)」アプリなどで証明できることが条件となることも決まっている。そこで、コンサートなどのイベントに行きたかったり、とりあえずはヨーロッパ内で旅行に行きたい若者たちも積極的にワクチン接種を始めているという。さすがに未成年のワクチン接種については慎重な意見もみられるが、アメリカやカナダ、そしてまもなく始まるドイツに続いてフランスもまた、未成年も含めて、国を挙げて集団免疫をつけようという明確な方針がある。

さらに、フランスならではの明確な方針で、国も国民も一致しているのが、やはりバカンスだ。大統領が昨日訪問していたフランス南西部では感染状況が再び深刻化する傾向もあるなか、大統領は慎重に行動することを求め、「2021年のバカンスは、できればフランスで過ごした方がよい」とした。また、フランスでは現在、「義務」となっている公共の場でのマスク着用についても、地域の感染状況によって、着用義務を解除するとして、この点でも国民に日常生活の再開を具体的に提示して、ワクチン接種を間接的にうながした。

本日は、カンヌ映画祭の参加作品が発表される。来週にはデコンフィヌモン(ロックダウン解除、日常再開)の第二段階。このペースだと、バカンス前(7月からバカンスに行く人たちもいる)には2回のワクチンを打っておきたいようで、6月30日の完全なる日常再開までにかなりのワクチン接種率が期待できそうだ。