フランス人は本の虫

投稿日時 : 2020/10/14 18:00

「デコンフィヌモン(ロックダウン解除)以降、なぜ書店が大人気なのか」
20 Minutes紙のサイトより。

本日夜、再びマクロン大統領がインタビューでテレビに生出演するまでに深刻になっているフランスのCovid-19感染。文化活動も当然制限を受けているが、デコンフィヌモン(自宅隔離解除)以降、営業を再開した業種の中でも、書店が昨年よりも好調な売れ行きだという。

営業再開後の6月は前年度よりも40パーセント以上の売上アップで、これはフランス人が大切にする「連帯(ソリダリテ、Solidalité)」の精神で、苦境にある地元の書店、そして作家を支援するというこころもちもあるという。もちろん、映画館や劇場などが営業していなかったり、密になる場所を避けて、自宅での娯楽、そして外に出掛けなくとも、本を読んで別の世界を旅するという、フランス人の知的欲求を満たすということもある。

さすがに6月ほどではなくとも、それ以降も、昨年よりも売上が伸び続けており、とくに子ども向けのジャンル(家庭学習用の書籍や、漫画、幼児向け書籍)の伸びが顕著であるが、文学もよく売れているという。さらに、インターネットでの販売でも書籍の売り上げは伸びているという。

ただし、これは全国での平均で、地域によっては、厳しい書店もある。パリの中心部の書店などでは、感染率が高いパリでの他の業種と同じく、そもそも人がなかなか来ないという状況がある。また、例年だと、新年度が始まる9月から、文学賞が発表される秋を経て、クリスマスシーズンまでは、本が最も売れる時期であるが、今年はこれからのCovid-19の感染状況次第でどうなるかまったくわからないという。

フランスのように、長期のバカンスの間に本を読むこともなく、文学賞の季節に本が売れることもなく、クリスマスの定番のプレゼントは本ではなく、そもそも日常生活に文化的活動が根付いていない日本から見ると、こうした本をめぐるフランスの状況は、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナにはある種の救い、オアシスに見える。