金曜の24時まで

投稿日時 : 2020/10/15 18:00

「Covid-19対策の発表の後、エマニュエル・マクロンの評価」
L’Obs誌のサイトより。

当然日本でも報道されている、マクロン大統領によるCovid-19の新規の一連の対策。金曜日の夜中24時から12月1日まで、パリなどの都市では夜間の外出が禁止される。働く必要がある人、移動する必要がある人は例外だが、それ以外の守らない人には初回135ユーロ、それ以降は1500ユーロの罰金となる。

昨日の発表は、夜のゴールデンタイムのニュースの時間に、民放と国営放送で同時に、それぞれのメインの夜のニュースの司会者がインタビューするという形式だったが、インタビューは形式的なもので、ほぼマクロン大統領の演説だった。

「外出禁止令:couvre-feu」とは、戦時下に使われていた言葉で、マクロン大統領は今年の春のテレビ演説では「Nous sommes en guerre:我々は戦争の中にいる」などと、状況の深刻さを戦時下に例えていた。当時は、おおげさだとか、例えが適切ではない、あるいは「自分を将軍だと思っているのか、偉そうだ」という批判があった。そこで、今回は、まさに戦時下で使われていた言葉「外出禁止令」を使ったものの、戦争であるかのような表現もなく、態度も、偉そうな指揮官というよりは、理解ある教育者というかたちをとった。

今朝のフランスのメディアではもちろん、大統領が発表した対策について、そして大統領の発表自体について、さまざまな意見がでている。この外出禁止令で、当然、映画や劇場、そしてレストランもまた大打撃を受けることになる。外出禁止令の発動は、感染症の専門家たちの意見でもあるというが、感染症の流行に歯止めがきかないフランスでは、すべてがやはり後手に回っているという受け止めが多い。

L’Obs誌の記事でのマクロン大統領の評価は:
態度:6/10。外出禁止令というデリケートな対策をそつなく発表、説明した。
能力:7/10。細部にわたって、Covid-19対策の全容を説明できた。
戦略:3/10。予測不能のウイルスに対する対策の方針ははっきりせず、定まっていない。