しわよせ

投稿日時 : 2020/10/16 18:00

「コロナウイルス:学生達は、コロナ禍の“大きな敗北者”と感じている」
地方紙 L’Union紙のサイトより。

本日の真夜中から始める外出禁止令にフランスは戦々恐々としている。働く必要がある人のほか、ペットの散歩、そして本日からやはり始まる秋のバカンスの出発は例外とされている(日本のようなGoToキャンペーンはないが、バカンスにいくことを妨げないというフランスの方針)。

飲食業はもちろん大打撃で、またテイクアウトを考えたり、営業時間を早めるなどの対応を考えているところもあるが、今回の外出禁止令は「とどめを刺され」たという意見もあり、メディアでも大きくとりあげられている。飲食業のほか、医療従事者も減らない感染者と、国からの経済支援の停滞、さらには必要になっている新規採用もままならならず(現在の厳しい状況で働きたい人はすくない)、状況は悪化している。そして、今回ターゲットとされた「若者」もフランスのコロナ禍の影響を大きく受けている。

夜間の外出禁止は、感染源とされる若者の行動を制限するようなものといわれるが、夜間の外出制限で、夜間のベビーシッターや飲食業でバイトをして生活費をまかなっている学生には大打撃だ。大学も昨年度の後半は講義がなく、新年度も多くの制限がかかっている。さらに、フランスの大学の教育システム自体が、日本と違って、リモート化するのは難しく、そもそも経済的に全ての学生がオンライン授業を受けられる環境を整えることは難しい。

マクロン大統領は昨日のテレビ出演で、「2020年に20歳であることは大変なことだ」と思いやったが、実質的になにをするのか。苦学生への給付金はあるが、それも一部の学生への限られた額だ。

マクロン大統領はまた、専門家の見解もうけて、Covid-19は少なくとも来年の夏までは収まらないと明言、国民にも理解と協力、そしてフランスならではの連帯の精神(Solidarité:ソリダリテ)をもとめたが、飲食業、医療従事者、学生と、すでに様々なところで状況が悪くなっており、フランスの場合、Covid-19がおさまったら、あるいはおさまらなくとも、いつかどこかで何かが起こりそうにみえる。