組合のリーダーも自分の年金を優先

投稿日時 : 2023/03/30 17:30

「フィリップ・マルティネスが労働組合CGTのトップの座から離れる:組合員の将来は?」
地方紙Ouest Franceのウェブサイトより。

フランスの大きな労働組合の一つ、CGTのリーダーは2015年からフィリップ・マルティネスだった。そのちょび髭と、言論で、メディアでもよく招かれて発言しており、組合運動を代表する人物だったが、この3月末で、このポストを去る。1961年生まれの61歳で、1984年から早くもルノーの工場で労働組合に参加しており、その後も、組合運動に取り組んできて、政治家などとも折に触れて論戦などを繰り広げてきた。

しかし、退任を前に、月曜日にあった労働組合の大会では、マルティネス氏の実績は公式に否認されてしまい、後継者争いが混戦模様になってきた。マルティネス氏が進める人物のほか、より強硬派の候補や、よりエコロジー系によった候補など、三つ巴となっている。もちろん、このリーダー次第で今後の年金制度改革反対運動を含む組合の運動にも大きく影響があるという。

一方、マルティネス氏は、リーダーの座は降りるものの、一組合員としては活動は続け、年金を満額で受け取るまであと数ヶ月残っているという仕事を続けるという。もちろん、制度改革以前の現行の年金制度にそったもので、いまは62歳までだが、マルティネス氏の場合は数ヶ月足りないので、その分だけを最低限、最初から働いているルノーで働き続け、その後は年金生活を始めるという。

もちろん、もうメディアにでることもないはずだが、最後に、メディアも「その髭はどうするんですか」などと聞いたりしていた。