政治の新年度

投稿日時 : 2020/08/25 18:00

「政府:守りの前進での新年度」
24日付けLibération紙の2-3面見開き。

日本では、首相が避暑地にも行けず、病院通いを話題にされるなか、早めに始まった新学期もほとんど話題にならないなか、Covid-19に関しては、専門家のなかにはこれはもう「第二波だ」と言う人もいる。

かえって、フランスでは、大統領は、いつもの避暑地で婦人と白ワイシャツから少し焼けた肌を見せる「広報戦略」で週刊誌『Paris Match』の表紙を飾り、ドイツのメルケル首相も招き、新学期はいつも通りのスケジュールながらも、学校でのCovid-19の対策の話題がメディアでは連日取り上げられるなか、Covid-19の感染が低下しないながらも、専門家は「第二波」とはいわずに、「第一波が続いていてそのブレがでている」との認識を示している。

「マクロン夫妻のコミュニケーション戦略」
BFM TVより。

同じようにCovid-19への対応に悩まされながらも、ここまで国によって雰囲気は違う。昨日、8月24日(月)は、9月1日からいよいよ本格にフランスでの新年度が始まる最後の準備期間の始まりで、各紙も今後の政府の動きに注目した。

Libération紙では、政府の舵取りは難しく、現在の状況では、経済の再建は最優先事項ではなく、感染症が再度拡大して、制御できなくなることが一番の懸念事項だと分析する。

バカンスが終わり始め、先週末から政府関係者の発言も、フランス国民に対して、注意を怠らないようにとの喚起や、国は万全の体制で感染症の拡大を防ぐように努力しているなどの発言をしたり、また予定されていた経済復興策の発表を遅らせるなど、対策を講じているという広報活動を強めているという。

医療体制も現在は逼迫している状況にはないものの、「第二波」がいつ来てもおかしくはないという危機感はあり、この現場の緊張感と政府の対応にずれが生じてくるとまた別の問題になってくる可能性もある。