フランスから見れば

投稿日時 : 2020/01/08 18:15

月曜日の国営放送France 2の夜のニュースより。
「オーストラリアの火災:エコロジーの大惨事」

12月から、ストライキの話題ばかり取り上げていたが、実際にフランスのメディアでは大きく取り上げられていたし、日本では全く取り上げられていない話題だった。

年が明けて、ストライキは続いているものの、大きくとりあげているのは、ゴーン日産前会長の話題と、アメリカとイランの話だ。これは日本でも同様だが、扱い方は違う。そんななか、日本のメディアとフランスのメディアで大きく取り上げが違うのが、オーストラリアの森林火災の話題だ。

フランスとオーストラリアは特に親密な交流があるわけでも、親しみがある国というわけでもなく、どちらかというと日本の方が距離的にも貿易などでもオーストラリアとは近いはずだが、日本ではその他のニュースに比べて、オーストラリアの森林火災についてはまったくというほど触れられていなく、年末に火災に遭ったコアラの映像が少し紹介された程度だ。

一方、フランスでは環境問題に関わる大きなニュースとしてとりあげられている。環境問題に国境はなく、メディア系のウェブサイトでは、「政治」「国際」「経済」「社会」のような従来のカテゴリと並んで「環境」や「地球」というカテゴリが同列にあることが多い。

同時刻のLe Parisien紙のウェブサイトと、東京新聞のウェブサイトのトップページ。
イランがイラクのアメリカ軍基地を攻撃したニュース(左上)、ゴーン日産前会長の話題(右上2枚)、中段右がオーストラリアの森林火災、下段二枚がストライキの話題。

サイトの作りも全く違うのは一目瞭然だが、どちらが良いとか悪いとか、見やすいとか便利とかではない。そもそも、こうしたニュースサイトに訪れるユーザーの層も意識も違うので、それを反映した作りになっているのだろう。

Le Paisien紙の見せ方は写真をメインで、これだけだとTVドラマシリーズの紹介と同じような感じで、2020年に入って、ゴーン日産前会長は新しいシーズンの第1話が本日、アメリカ・イランは新しいシリーズが始まったような感じだ。