フランスはストライキも再開

投稿日時 : 2020/06/25 17:30

「BFMTV局でストライキ:放映は混乱、討論は中止、激動の一日」
Le Parisien紙のサイトより。

先日は医療従事者のデモがあったが、今回は民間メディアグループ、NextRadioTVの社員がストライキを起こした。

このグループは、ニュース専門チャンネルBFMTVやラジオ局RMCをもつグループで、BFMTVは、フランスで数あるニュース専門チャンネルでも人気のテレビ局だ。

人気の民放局ということは、それなりに収入も安定していたはずで、社員に不満はないはずだったが、やはり今回のコロナ禍によって、経済状況は悪化、経営陣は実に1/3の社員を削減する対策を発表。それがこの会社で初めとなるストライキの引き金となった。組合によると、1600名の社員のうち、330-380の正社員職と最大200名の非常勤職員が首を切られるという。

昨日、水曜日に始まったストライキで、番組は急遽変更になり、さらには、夜に予定されていたパリの市議会議員選挙の討論会も急遽中止になった。この討論会にはパリ市議会議員選挙のリストのトップの3名の女性、つまりは実質的に次のパリ市長候補が参加することになっていた。中止については、参加予定で現パリ市長のイダルゴ氏が組合代表などと話をして、中止と延期を求め、それが受け入れられたという。

経営陣側も組合側との話し合いをするとし、木曜日に始めると約束した。これを受けてストライキもいったん中断し、討論会も木曜日に行われる。ただし、その後どうなるかは不明だ。

日本でも経済活動が再開する中、東京での感染者が減らないように、フランスでも日常生活が戻る中、フランス各地でクラスターの報告がされている。それでも、フランスでは、多少中身は違っても、いつも通りの夏のバカンスの準備がすすみ、社会や政治に対する不満もいつもどおりにデモやストライキで表現する。

ポストコロナでも、ストライキ、つまり労働の権利は変わらない。むしろポストコロナだからといってどんな労働条件でもまかりとおるわけではない。