今世紀初頭の最悪の農産被害

投稿日時 : 2021/04/16 17:30

「氷点下:葡萄栽培と樹木栽培では40億ユーロ以上の損失が試算される」
Le Parisien紙のサイトより。

3月末は日本と同じようにかなり暖かかったフランスだが、4月に入ってから、そして今週はとくに、急激な寒波がはいってきて、氷点下にまでなるところも多かった。そこで大打撃を受けたのが、3月の陽気で一気に芽を出し始めた農作物だ。

あらゆる農作物が被害にあったが、特にフランスのメディアが大きく取り上げたのが、ワイン用の葡萄畑だ。芽吹きだしたばかりの葡萄の木が大寒波で完全にやられてしまったところもあれば、夜になって数千ユーロも使ってろうそくをともして対策をしたところもあった。この影響で今年の収穫はまったくなくなったところもあるという。地域によっては、8-9割の損失ともいう。事態の深刻さに、農業担当大臣もすぐに、「今世紀最大の農業被害」とし、全面的な支援を表明した。

これは、大多数の農家はこうした自然災害に備えた保険にははいっておらず、さらに近年フランスで人気の有機栽培などはさらに被害が大きいともされる。ワインだけではなく、これからが季節のサクランボウや、リンゴなども今後国産の農産物はかなりの値上げがあると予想されているが、生産者の支援も重要で、政府はすでに国産を買うようにというメッセージも出している。

さらに、問題は農作物の生産量や生産者の収入だけではなく、収穫時の季節労働者も収入源がなくなるということでもある。

そして、こうした自然災害の話題では、つねに気候変動の影響という側面も語られる。単に、異常気象だとかいうだけではなく、こうした異常気象や気候変動にいかに対応していくかという議論もされている。政府や自治体などの補償もそうだし、環境に配慮しながらも新しい技術で解決する方法はあるのか、さらには、農業自体のありかた、そして食生活、消費の仕方についても議論されている。

フランスのCovid-19については、今週はフランスでは第1回目のワクチンを打った人は毎日30万人くらいいて、本日の朝現在の数字では、国民の18%近くが1回目のワクチンを打ったことになっている。