大統領選挙の泥仕合

投稿日時 : 2022/03/11 17:30

「討論番組“一対一”で、ヴァレリー・ペクレスとエリック・ゼムールは、視聴者を疲れさせた」
仏版Huffpostのウェブサイトより。

マクロン現大統領は、第二次投票の決選投票までは他の候補者たちとは討論しない、現大統領としてウクライナ情勢もあり、そんなヒマはないというスタンスだが、他の候補者はそうもいかない。

そんななか、3月10日(木)、一番最初の一対一の討論が行われ、極右系候補のエリック・ゼムールと右派系候補のヴァレリー・ペクレスが民放ニュース専門局LCIと民放局TF1で対峙した。

ロシアがウクライナに侵攻してから、これまで親ロシア、親プーチンの発言をしていたゼムール氏はそれまでの勢いが落ちている。ヴァレリー・ペクレス氏も、ゼムール氏やもう一人の極右系候補マリーヌ・ルペン、そして極左系候補のジャンリュック・メランション氏からも世論調査での得票率で及んでいない。二人とも決選投票に進めるかどうかを賭けての一対一の討論だった。

しかし、蓋をあけてみれば、罵り合いや揚げ足取りなどが目に付き、政策論争などは見られず、メディアでの評価もさんざんで、もちろん、視聴者・有権者の評価もよくないというのが多数の見解だ。

もちろん、それぞれの陣営は、悪いのは相手の陣営だといいあっている。

ただ、これでさらに有利になってきたのが、マリーヌ・ルペン候補で、世論調査でも戦時下でポイントを挙げている現大統領とマリーヌ・ルペン候補が決選投票に進むシナリオがかなり現実的になっている。

それでも第一次投票までまだ4週間。ウクライナ情勢、そしてそこから派生しているフランス国内での避難民受け入れの問題、ガソリン価格の急騰など、それらに対して現大統領がどう振る舞うのか、そして候補者たちがどういった政治的提案をするのか、何も確実なことはないように見える。