ドローン配達の実用化

投稿日時 : 2019/11/08 18:30

「グルノーブルの北、仏郵便(ラ・ポスト)は、山岳地帯での配達にドローンの実用化を開始」
国営放送France3の地方局からのニュースより。

 グルノーブル北部の谷間にあるFontanil-Cornillonと、山岳地帯にあるMont-Saint-Martinの間で、ドローンによる郵便物の配送が始まるという。

この二つの町は直線距離では3kmしかないのだが、地上からだと20kmもの道になる。これがドローンを使うと、8分で往復できるようになる。このフランス郵便(ラ・ポスト)のドローンは、専用のトラック基地から飛び立ち、現地では専用のターミナルに荷物を置く。それを現地の配達員がそれを回収して現地での配達をする。

ドローンは一度の飛行で15kmを飛行可能で、最大2kgの荷物を運べ、30km/hで飛行するという。異常事態があった場合は、非常用のパラシュートが開くという。このドローンの活用の利点で挙げられているのは、もちろん、効率化、陸路での危険の回避、そして、ドローンはCO2を排出しないという点もある。

実はフランスではこのドローンの郵便配達での実用化は2例目で、最初は2016年12月に開始され、週一回の輸送だが、すでに190の実用飛行をし、成功率は95%で、残りの5%は天候による飛行中止だという。

日本ではもともと、郵便局の配達はもちろん、民間の宅急便の配達、さらには新聞の配達もそれぞれネットワークや体制が確立されているが、フランスではそもそも民間の宅配便も新聞の宅配も皆無という事情もあり、ドローンの実用化は日本よりも早く進む可能性があると思われる。