万全の布陣?

投稿日時 : 2022/05/17 17:30

「首相に任命されたエリザベット・ボルヌ、5つの優先事項とは?」
地方紙Ouest Franceのウェブサイトより。

日本では、30年ぶりに二人目の女性首相が誕生したこと(だけ)が取り上げられているが、フランスの場合、ようやく新首相が決まったことで、「マクロン2」と呼ばれるマクロン氏の大統領第二期がようやく始まったことになる。

そして、これも「ようやく」、一ヶ月後に迫ったフランス議会選挙に向けた布陣が出そろったことも意味する。極左政党「不服従のフランス」、共産党、エコロジー・緑の党、社会党は、議会選挙にむけて連合を組んだが、現政権の後ろ盾となる与党勢力も、ボルヌ氏という女性首相を筆頭に「マクロン2」のカラーを打ち出し、再選した大統領の政策の方向性も示しながら、議会選挙でも信任をえるという布陣となった。

簡単に言えば、議会選挙で与党勢力が勝てばこのボルヌ政府は信任を得られことになり、そのまま継続されるだろうが、逆に左派勢力が勝てば、左派系から新しい首相が選ばれる(大統領がそうせざるを得ない)という可能性もある。

そこで、大統領が選んだのが、女性の首相、そして環境問題、労働問題などにも実績があるという人物で、昨日の発表まではメディアでは名前は挙がってはいたものの、公式発表はそれなりのサプライズであったようだ。ボルヌ氏は、女性であることもそうだが、いわゆる「高級官僚」出身で、マクロン氏が首相の条件としていたとされる、環境問題、労働問題なども関係省庁で活躍してきたことから、決まってみると当然といわれるような人選とされる。自身も「左派」といっているが、極左系のメランション氏にいわせれば、「左派ではない」、極右系のルペン氏も痛烈に批判をしているが、それも全て想定内のリアクションだろうか。

そこで、ボルヌ氏が即戦力を求められているのが5つのポイントとされ、エコロジーの他、購買力、年金問題、議会選挙、そしてコロナ対策とされる。今後は新閣僚も発表され、議会選挙が終わるまでは本格的ではないだろうが、新しい政権の方針が見えてくるので、選挙戦も本格化されるだろう。