視野の違い

投稿日時 : 2020/02/25 18:00

「コロナウィルス:中国では死者数は減少、WHOはパンデミック(世界的流行)を回避したい」
L’Obs誌のサイトより。


今週に入ってもさらに世界中で話題の新型コロナウィルス。だが、これだけ世界的な問題でも、それぞれの国での報道はまったくことなる。

日本は相変わらず国内関連ニュースばかりで、発生地の中国や隣国の韓国の話題ですら割合は少なく、ましてはイタリアの話題もエピソード的にあつかわれているようにみえる。

かえってフランスは、フランス国内の感染者はいなくなったものの、終末に急に発生したイタリアでの「ホットスポット」に警戒感を強めているくらいで、新型コロナウィルス関連のニュースは、世界規模で報道されることが多い。

本日の話題は:
1)中国本土では死者数の増加に歯止めがかかり、ピークは過ぎたと考えられる。2)世界保健機関(WHO:フランス語ではOMS)は「パンデミック」(感染症の世界的流行)を危惧している。

中国以外の国々(韓国、イタリア、イラン、アフガニスタン、クウェート、(もちろん日本)など)に感染者(死者も)が出ていることが、世界的な流行の兆しとされ、その兆しを報道しているかたちで、世界経済が反応しているのもこの兆しだ。さらにフランスでは、「新型コロナウィルス」という名称ではなく、先日、国際機関が命名した「COVID-19」という名称を使っているメディアも多く見られ、ここでも国際的な視野で見ていることがうかがえる。

日本は世界を見る余裕もなく、国内での拡がりが懸念されているが、フランスではまだそこまでではないという余裕があるからかもしれなく、「チェルノブイリの放射能雲がフランスの国境で止まったように、コロナウィルスもフランスの国境でとまっているのだろう」というシニカルなコメントも見られる。