コロナ禍でもフランスの目は、地球に、世界に。

投稿日時 : 2020/06/23 17:30

「気候:“根底から変える”」
6月23日付、Le Monde紙の一面。

今週初めからフランスのメディアで取り上げられていた大きな話題の一つが、La Convention citoyenne pour le climat(気候のための市民コンベンション)だ。これは昨年のジレ・ジョーヌ運動のなかで、マクロン大統領も受け入れて設立された市民によるコンベンションで、無作為に選ばれた150名の国民が、政府に対して、環境問題についての提言をまとめ、日曜日にそれを承認し、政府に提出したというものだ。

600ページの報告・提案書には、実に150以上の政策提案があったという。その中には、国民投票で憲法を改正するという提案もある。これは、「Ecocide:エコシッド(エコサイド)」という新しい概念、罪を定義、Féminicide:女性殺害、のように、Eco:環境、-cideで、「環境殺害」という概念・罪を定義しようとするものだ。その他にも、具体的で緊急な提案もあり、マクロン大統領としては、ジレ・ジョーヌ運動の火消しと思っていたかも知れないが、無作為の150名のフランス国民がかなり踏み込んだ提案をしたことによって、大統領や政府もそれなりの対応を迫られているという見方もある。

もう一つフランスで報じられているのが、アメリカの大統領選の話題。トランプ大統領の現状が厳しいこと、その厳しさがとくに報じられている。中でも、トランプ氏がアメリカの感染者数が多いのは検査数が多いからで、検査を少なくさせよう、といっているところや、久々のミーティングでも人がすくなかったのは、コロナのせいだとか、人気がなくなったからだとか、または、反対派の若者などが入場チケットを入手・予約しただけでこなかったからだと、トランプ氏の劣勢ぶりを強調する報道が多かった。

もちろん、目前にせまった、今年はフランス国内での、バカンスの過ごし方が目下の心配事だろうが、世界を見ることも忘れていないようだ。(あるいは、逆にいえば、環境問題や国際問題を語っていても、心配事は目先の国内バカンスともいえる。)