フランス政府が夏休みの宿題を提出。

投稿日時 : 2020/09/03 18:00

「復興プラン:1000億ユーロの政府案で分かっていること」
国営ニュース専門ラジオ局France Infoのサイトより。

日本の政治状況とはあまりにも違いすぎて、比べようもない。本日、カステックス首相は、フランス政府の復興プランを発表する。正式な発表の前に、今朝からはその大枠がメディアで取り上げられている。

目玉の数字は、1000億ユーロ。そして70の具体的な使い道が示されるという。企業への支援でも、中小企業や、零細企業にも配慮、企業のデジタル化を推進し、若者や非正規雇用の雇用を保障・促進、医療現場・体制へも配慮などなど。まさにバカンス明けで、フランスには夏休みの宿題というものはないが、それでも政府が夏の間練りに練ったであろうプランだ。

日本と決定的に違うのはやはり、のエネルギー転換支援(transition énergétique)。これは環境とか、エコロジーではなく、一つの国としてのビジョン、方向性の話で、フランスもオランダなどを見本にするというように、ヨーロッパではいまや主流となっている政治・社会・生活においての一つの大きなまさに柱だ。

この支援策には300億ユーロが計上され、大気汚染などに特に影響がある業種(交通、興業、農業(農薬など))の改善、公共の建造物など(市役所、学校、大学、老人ホームなど)のエネルギー効率の改善を促進するという。

首相からの正式な発表を前に、もちろん、細かな指摘や批判、こんな大きな予算をどこから持ってくるのか、どうやって返すのかという議論が始まっている。また、このプランの目標として、2022年までにCovid-19以前に戻す、という目標を掲げているというが、2022年といえば、大統領選挙の年で、もちろん再選を狙うマクロン大統領の、選挙キャンペーンが始まったとする見方もあるという。