フレンチタッチの開発

投稿日時 : 2020/09/04 18:00

「コロナウイルス:フランス製の鼻スプレーは、ワクチンに替わりうるか?」
経済紙 Les Echosのサイトより。

新年度が始まってからフランスのメディアで紹介されているのが、CNRSの研究者グループが研究中のCOVID-19対策の一つだ。それは、ウイルスが肺に侵入するのを防ぐための、スプレーの開発だ。

CNRS(Centre national de la recherche scientifique:国立科学研究センター)とは、フランスが世界に誇る(ある指標では世界第二位)の国家研究機関、つまりフランスの精鋭が集まる機関で、宇宙工学や物理学、生物学などの理系だけではなく、人文科学や数学など、全ての研究分野の最先端の研究をしている。

世界中の研究者が、ワクチンの開発を進めているとされるが、「フレンチタッチ」な研究かのように紹介されているこのスプレーには、すでに特許の申請もされたという。しかし、まだ開発というよりも、研究段階で、科学誌への発表もまだだという。

ポイントは、ウイルスの感染を防ぐペプチドを開発したことにあり、この効果を検証中だという。

日本では国が検査の過程はもちろん、検査できる場所もはっきりとは公開しないまま、ワクチンの開発も、マスクの調達具合も分からない。かえって、フランスの大都市などでは、感染検査待ちの長蛇の列がときおり報道されているほど、検査はすでに日常の風景になりつつあり、マスクの供給についても定期的に公表され、ほぼ国産でまかなえる体制が整いつつあるという。

今回の鼻スプレーのニュースは、多くのメディアで取り上げられているが、経済紙では、研究チームは経済支援を求めているとも言及されており、このプロジェクトに企業が支援をして、このスプレーが上手くいけば、ワクチンよりも商品化の可能性が高く、その企業の株が上がるということかと裏を読んでしまう。